309人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちなー!あの子中学生じゃない!わかってて紹介したでしょ!」
私は朝来て早々、涼しい顔して下敷きをうちわがわりにしているちなにくってかかった。
「あれ?言ってなかったっけ?」
「聞いてない!私中学生はほんと無理だから!」
「中学生たって三つしか変わんないんだよ?大丈夫だって!」
「何が大丈夫かわかんないし…ちな会ったことあるわけ?」
ちなは笑顔で視線を上へ泳がせた。
「ほらね!本当に背もひくーい、あからさまにガキだったらどうすんのよ!」
「もーいーじゃん!それに今日一緒にこっちに連れてくるらしいから見れるよ?それで嫌なら止めればいいんだしさ」
「連れてくるって…!私も会うわけ!?嫌なら止めればいいってそんな…!」
「あ!授業始まるー」
ちなは始業のベルを聴きつけてそそくさと自分の席に戻っていった。
もうー!ちなってば…!!
そう言いながら、私は実は心底ちなを責めきれなかった。少なくともメールをすると決めたのは他でもない私だったのだから。
だからといって、私にも人並みの彼氏の理想像はあった。
少なくとも彼氏になる人は同級生か、少し年上と自分の中でわかりきった答えのようにでていた。その答えがそんなに高望みしているとは思えなかった。
…年下なんて…絶対無理だし…。
私はこれから会う人がどんな人だろうが、断る自信があった。
それが私なりの恋愛だろうと思ったから。
最初のコメントを投稿しよう!