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あの頃、女子高の流行というべきは、カッコイイ女の先輩の話と。
99%は男の話題だった。
「みな、メル友しない?」
ある日、私は突如として流行っていたメル友を友達のちなに持ち掛けられた。
「メル友?知らない人とメールするんでしょ?あんまり好きじゃない…」
「今時やったことないのみなだけだと思うよ…?でも今回は知らない人じゃなくて私の彼氏の後輩らしいんだけどどう?」
「うーん…私長続きしないと思うよ?」
私は友達に勧められあまり気乗りはしなかったが、多少なりとも興味があった。
次の日から早速メールのやりとりは始まった。
『仲里美依梛 なかざとみいな カトレア女子校の二年です。よろしくお願いします』
私はあからさまに事務的なメールを送った。
…っていうか、メル友って何しゃべんの?天気の話とか?
思わず苦笑した。自分でやると言っておきながらメールをしている自分がひどくおかしく思えた。
すでにメールをうったことなど忘れそうな時に返信がきた。
『初めまして。香蘭中学二年の前野由人 まえのよしとです。これからよろしく』
返ってきた言葉は私に劣らないほど簡略的なものだった。
ふーん…香蘭中…えっ!?ちゅ、中学生!?
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