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「……ガッカリだぞ、有希。そこは取りあえず驚く所だ」
そんな関西ノリを求められても……。
「それで、その執行部っていうのはどういった活動を?」
「主にこの学校の生徒を幸せにするために活動している」
わー、普通の人に興味の無い団長もビックリな活動内容ですね。
「で、何でそれに私が?」
「うむ、それは直感だ、第六感的なアレ、見た瞬間に俺に稲妻が走った」
間違いない。この人、勢いで動くタイプの人間だ。
「大丈夫だよ、有希ちゃん。怜くんの感はスゴい良く当たるの。
それに、僕もう有希ちゃんの事好きになっちゃったから、今回も当たりだね」
そう言って横の天使は微笑む。
くっはー、お小遣いあげちゃおうかな。
でもさ、私もまだ色々な選択肢を見たいわけで。
「あの、これは強制ですか?」
っていう結論になるよね。
その言葉を聞くと、誘拐犯、もとい怜先輩は不気味に口角を上げた。
「悠也」
「姫川有希、16才、一人娘、第七病院出生、小4の時に転校を一回経験、身長160cm、体重「アッー!」kg、告白された回数は「アッー!」回、しかし交際経験ゼロか……」
な、何!?何でそんな事まで筒抜けなの!?
「ま、俺にかかれば簡単な事さ」
また心読まれてるし……。
「そういう訳だ。これからよろしくな、有希」
笑顔で手を差し出される。なる程、道は一つと。
「……よろしくお願いします」
手を出すと強引に掴まれる。その大きな手に少し驚いた。
こうして、私の学園生活は始まった。
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