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「袋持つよ」
半ば強引にノエルから買物袋を受け取る。こうでもしないと絶対断られるからな。
「あ、ありがとうございます」
「いいっていいって」
それから俺達は帰路についた。
一一一一一一一●一一一一一一一
俺は今、メアの部屋来ている。もちろん、魔術の特訓をするためだ。
しかし、未だに何も発動しない。手の平に魔力の塊みたいなものもでてくれない。
「どこかで自分は魔術を使えないのでは、と思っているのではないか?」
メアはテレビを見ながら俺にそんなことをきいてきた。
「いや……そんなことはない……はず」
俺はこっちの世界に足を踏み込んでからまだあまり時間は経っていない。だからか、自分が本当に魔術という特殊な力を行使することができるのかが半信半疑なのかもしれない。
だが、俺は一度自分の魔力の存在を確認している。ならば、魔術は使えるはずなのだ。しかし、未だに発動しないということは、まだ俺は俺自信を信用しきれていないのだろうか。メアの言う通り、心のどこかで自分にはそんなことできるはずがないと思っているのだろうか。
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