レクイエム

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君の手術の日 私は学校をさぼって 病院に行ったんだよ てっきり叱られるかなって思ってたけど 母達は あぁ来たとね と優しかった 手術は成功したよ と聞かされて皆笑顔になったよ 次の日、学校が終わると これからは、遊んであげる、良い姉ちゃんになろう とウキウキとして家に帰ったら 皆泣いてるんだ 死んじゃったんだよ 私はよくわからなかった 独りで裏口に行った 死んじゃった 何度も繰り返し 母達が泣いてる部屋に戻ったら 声をあげて泣いていた 私は良い姉ちゃんになりそこねた その頃自宅は新築されて 新しい家で君いがいの家族と暮らしていたね 君は相変わらず近くのおばあちゃんの家で暮らしていた 君がいなくなって しばらくして おばあちゃんが ぽつりと お母さんん達は綺麗な家に住んでていいね 君がそう言ってたって 涙が出た… ごめんね ごめんね 遊んであげなくて 君の声が思い出せない それは私が走り回っていたから 優しいお姉ちゃんの決心は行き場を無くして浮遊している 君は命の重さと私の冷たさを教える為に 生まれてきたんだね 君の話が出る度に 膝を抱えて泣いた
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