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しばらくすると、演奏が鳴り終わり、
｢ありがとうございました｣
と言って、バンドの人たちがステージの下手（しもて）の方へ入って行った。
ステージのカーテンを、スタッフの人らしき人たちが素早く閉める。
周りを見ると、地面に座り始める人や、壁にもたれかけて話す人たちがいた。
私も、地面に座ることにした。
さすがに、長時間立っているのは辛い。
｢次だよ！｣
と、腰に手をあてて言う友人の姿を見て、テンション高いなー、なんて思っていたら、ステージの方から楽器の音が聞こえてきた。
たぶん、チューニングをしているのだろう。
その音で、地面に座っていた人たちの何人かが立ち上がった。
そろそろ立ったほうがいいのかな？
迷いつつも、私は立ち上がることにした。
｢明日香｣
｢ん？｣
｢次のバンド、あんたの好きな曲のバンドのコピバン（コピーバンド）してんだよ｣
｢そうなの？｣
｢うん。だからね、もしかしたらハマるかもよ？｣
クスッと笑う友人。
ハマる？私が？
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