3年前

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カーテンが開き、登場したのは、まだ少年っぽさが残っている初々しい感じの男の子5人組だった。 前列のセンターでギターを構えて、堂々とした表情をしてマイクの前に立っていたのが、朔馬だった。 「こんにちは。“イナサ”です。 僕たちは、サークル内のオーディションに最終まで残り、今回のライブに出させてもらうことができました。えーと…」 と言って、メンバーを見回す朔馬。 「堅苦しい挨拶はいいから、始めよう」 もう1人のギターの蓮田くんが促す。 そのやりとりに、なぜだか笑えた。 周りからも笑いがおきる。 「そうだな。始めるか」 と言って、ドラムの篠原くんに合図を送る朔馬。 ドラムのスティックの音が響き、演奏が始まる。 曲のイントロで、私は曲のタイトルがわかった。 それは、私の一番好きな曲だった。
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