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友人の知り合いとは、蓮田くんのことだった。
ライブの後、ほとんどの学生が帰る中、私と友人は会場に残っていた。
その訳は、友人が蓮田くんに、顔ぐらいは見せておきたいと言ったからだ。
「あれ?山ちゃん来てくれたんだ」
と、友人に声をかけてきたのは蓮田くんだった。
ちなみに、“山ちゃん”は友人のあだ名。名字が山下だから、山ちゃんって、私もたまに呼んでいる。
「と、そちらは?」
と、山ちゃんに訊ねる蓮田くん。
「同じ学部の友達だよ」
蓮田くんは「へ~」と言って、私の方を見た。
挨拶するべきかな?
「初めまして。
野崎 明日香(のざき あすか)です」
ペコッと頭を下げる。
「なんか、野崎さんって礼儀正しいね。
俺は蓮田 蒼介(はすだ そうすけ)。ちなみに学部は環境学部。よろしくね」
ニコッと笑う蓮田くん。
「こちらこそ、よろし…「ソウ、何やってんの?」
「よろしくおねがいします 」と、言おうとしたときだった。
私の言葉を遮って現れた人物は、クスッと笑うと
「女の子2人にナンパか?」
と言って、蓮田くんの肩に腕を回した。
その人物とは、朔馬だった。
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