3年前

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朔馬は顎に人差し指と親指をあて、私をじっと見つめてきた。 なんだろと思い、少しドキドキしていると 「あのさぁ」 「!!」 急に話しかけられた。 「何?」 とりあえず訊いてみる。 すると、朔馬はニコッと笑って 「野崎さんって、何か興味ある楽器とかってある?」 と、訊ねてきた。 楽器かー… このときの私は、なぜか、ライブスタジオでの朔馬のギターを弾く姿が頭の中で浮かび、 「……ギターやりたいかも」 と、朔馬に言った。 朔馬は、少しずつ頬を赤らめ、頭を掻きながら 「俺が、教えてやろうか?」 と、言ってきた。 私は、体の体温が、一気に上がったような気がした。 頬が熱い。 「うん、おしえて!」 私が笑顔で答えると同時に、蓮田くんと山ちゃんがガッツポーズをしているのが見えたけど……まー、いいか! こうして、私は朔馬と関わることになった。 朔馬以外にも、バンドのメンバーの人や、軽音部の人たちとも。 朔馬がいたから…………
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