突然の別れ

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病院に着くと、私は受け付けで部屋の番号を聞き、急いで階段を駆け上がった。 信じたくない。 朔馬が亡くなっただなんて…… 部屋の階に着くと、私は廊下を走って部屋の番号を探した。 「野崎(のざき)さん、こっち!」 「あ……蓮田(はすだ)くん」 部屋の前で私に手招きする蓮田くんの元へ行くと、蓮田くんは「入って」と、私の背中を押した。 病室の中には、同じ大学のサークルで、朔馬とバンドを組んでいたメンバーが、蓮田くんの他に3人いた。 みんな、同じ所を見て、目から涙を流していた。 私も、みんなと同じ視線先を見る。 「喘息だって……あいつ、治ったとか言ってたのに、嘘ついてたんだ」 私の後ろで、蓮田くんがそっと伝える。
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