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*美乃side*
正直まだって言われた時は、ショックだった。
だけど、抱き寄せられた事で私は安心した。
抱き寄せられた時、すごく愁耶の優しさが伝わってきたから。
“今はまだ”
私もこのままでいい気がしたの。
ただね、あのため息は何かつっかかる。
なんとなく、うまくかわされた気もして。
何か隠してる気がして。
こんな気持ち、すぐなくしたい。
ねぇ…もし何か隠してるなら教えてよ…
「愁耶…何か隠してる??」
「えっ…?」
一瞬愁耶の目がギョッとした。
「やっぱり何かあるの??」
不安がいっぱいに広がった。
愁耶は忘れてるかもしれないけど、ひなたちゃんが言ってた
“私、先輩とヤッた事あります!!”
あの事もほんとは、気になってる。
「何も…ねぇよ…?」
あーあ…
「美乃…?」
「ねぇ愁耶…」
「あ?」
「私達何年間一緒だと思ってるの??」
「!!!???」
私もね、根拠はないの…
だけど感じるの。
何か隠してるって…
ひとりで悩んでるって。
「愁耶…?」
「…ははっ。考え過ぎだっつーの!!ただ、愛の目の前でキスすっか迷っただけ♪」
「えっ!?///」
びっくりした!!!
そんな事だったの!?
「まっ、かわいい美乃は誰にも見せたくないからしない♪」
私の耳元でそう呟いた。
その姿は妙にエロくて。
だけどかわいくて。
私の中の不安はいつの間にか消えていた。
「ばかっ///」
そして照れ隠しするので精一杯だった。
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