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成美の話は終わらない。
「そしてね、花野を切りつけたのも私。達也に告白するなんて許せないわ。私の達也になのに。いい気味よね、顔に傷よ? 女として死んだも同然よねぇ! あはははははははは!」
まさかとは思っていた。
でも、心のどこかで否定している所があった。
成美を信じるという気持ちが・・・。
でも、そんな気持ちも崩れていく。
「・・・じゃあ俺の妹と犬を切りつけたのもお前か?」
「達也のそばにいる女は許さない。犬はあんなに達也に可愛がられていたのよ?悔しいじゃない」
・・・狂っている。
悪ぶれた様子もなく、何事もないように。
「無言電話もお前か?」
「だって、達也の声が聞きたかったんだもの」
「四六時中俺を見ていたのも?」
「だって、達也の姿が見たかったんだもの」
「そうか・・・」
やはり、成美だった。
俺の中の怒りの感情が一気に膨れ上がる。
ここで、殺そう。
そうしなければ、こいつは俺の生活を徹底的に破壊するだろう。
ポケットには固い感触が。それは、家から持ってきたバタフライナイフ。
最初から殺すつもりで呼び出していた。
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