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瓜生成美。
それが彼女の名前だ。
おとなしい娘で、いつも静かに一人で本を読んでいる。
だいたいどのクラスにもそういったタイプの人間は一人はいるだろう。成美は、まさにそれだった。
控え目に言って内気で恥ずかしがりや。きつめに言ったら地味で根暗。
そんな女が俺の彼女。
告白は俺からで、そうだな、初めて見たときからなんか良いと思ってたとか、おとなしい娘が好きとか眼鏡が似合ってるとか言ったと思う。
成美は面白いくらいに顔を真っ赤にして
「よろしくお願いします」
と返事をした。正直、好きで好きで仕方がないと言うわけではなかった。
こいつでいいか・・・みたいな軽いのりの告白だった。
早く彼女が欲しかったし、なんか落としやすそうな女と直感で感じたというのが大きい。
案の定、告白された経験などなかったらしく、俺の告白は思った以上にスムーズに進んだ。
成美の顔立ちは美人でもなければブスでもなく、至って平均的なものだ。
そんなところも丁度いい。ブスだとのろけても笑われるだけだしな・・・。
そんなこんなで交際がスタートした。
話したり、デートを重ねる事に俺も成美の事を順調に好きになっていった。そう、この時はまだ全ては順調だった。
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