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異変が起こったのは一ヶ月と少し経ってからだ。
どうも、視線を感じるようになった。
休み時間や通学路で誰かに見られてるような・・・。
でも、振り返っても誰もいない。
・・・その時はそんなに気にしなかった。
成美との仲をはどんどん深まっていく。
ファーストキスから結ばれるまでそんなに時間はかからなかった。やりたい盛の高校生で、しかも成美もそういった行為に興味がないわけでは無いらしい。一度まぐわって味を憶え、何度も何度も行為を繰り返した。
あえていうが、これは愛ある行為だ。この頃には本気で成美が好きになっていた。
「達也・・・」
「どうした?」
隣で寝ている成美が首に腕を絡ませて言う。
「私達ずっと一緒だよね」「そうだよ。ずっと一緒」「どこにも行かないでね。私だけを見てて・・・私は貴方のもの。貴方は私のもの」
まぐわったあとの余韻に浸るなか、成美が甘えて言った言葉。
可愛いことを言う奴だなと、本気でそう思った。
この時はこの言葉の意味なんて知りようもなかった。
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