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「へ?」
後ろからトンと押された。ぐらりと体勢が崩れてそのまま下に落ちていく・・・。
担任の甲斐が言った言葉に、教室がどよめく。
「今言った通り、昼休みに林が階段から足を滑らせて病院に運ばれた。幸い命に別状は内が、足の骨が折れてるかもしれん」
「まじかよ・・・」
「林さん・・・」
教室は、安否を心配する言葉が飛び交っている。
もちろん俺も同じく林さんを心配している。
なんせ、ついさっき勉強を教えたばっかりだしな・・・。
「皆も十分気をつけるように」
甲斐の話を適当に聞きつつ、ふと前を見ると成美と目があった。
成美は俺をみてにこりと微笑むと目線を本へと移した。
それとほぼ同時に携帯のバイブが鳴った。焦らずに受信したメールを見る。
今日、家に両親がいないの泊まりに来て。成美。
こんな時にお泊まりのお誘いか・・・相当の好きものだな、あいつも。
もちろん断る理由も無い。今から夜がたのしみだ・・・。
成美と夜を共にする回数が増えてくる。
事は、あいつから俺を誘う事が多い。
・・・しかし成美との仲を深めるのに比例して、視線を感じる回数が増えていくのに、俺はまだ気付かない。
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