97人が本棚に入れています
本棚に追加
当然のように、成美の家に泊まり肌を重ねる。
成美は、なんだかいつもより激しく俺を求めてくる。
「ふふふ・・・達也ぁ」
「どうした?」
いつものように甘えてくる成美。
「林さんの事だけど」
「ああ・・・可愛そうだよな足を滑らすなんて」
「可愛そう? なんで?」「え?」
「いいきみだわ・・・」
背筋が、少し震えた。
・・・とても暗く怖い顔をしている。
こんな表情、初めてみた。
「だってあの女、達也に色目使ってたじゃない。私の達也なのに・・・」
「色目って・・・あれは問題を教えていただけで」
「嘘よっ! そんなの口実で達也を誘惑していたに違いないわ!」
取り乱しているのか?
嫉妬?
焼きもち?
とにかく、今は酷いヒステリーを起こしている。
「何なの? あの女の肩を持つの? どうして? 私を好きって言ってくれたじゃない! 嬉しかったのに嘘だったの? 私は遊びだったの? ねぇ達也!!」
圧倒されていた。
腕に爪を立てて、睨むだけで人を殺せそうな視線で見てくる。
「う、うそじゃないさ。俺が好きなのは成美だけだ」「本当に? 信じていいの?」
「あ、あぁ」
「私だけを見ていて」
そう呟くと静かに寝息をたて始めた。
最初のコメントを投稿しよう!