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今までにない成美の一面を見た。
嫉妬深いというか、独占欲が強いというか・・・。
クラスの女子と喋っているだけでも、強い視線を感じる。
もちろん視線の正体は成美だ。
他愛のない世間話をしているだけでも、機嫌を損ねてしまう。
「何の話をしていたの?」「何って、世間話だけど」「好きなの? 私よりあの女方が」
「そんな事ないさ。成美が一番だよ」
最初は可愛い焼きもちだと割りきった。
でも、どんどんとその嫉妬はエスカレートしていく。
女と話すのは許されない。男子と話しているのに視線を感じる。
四六時中見張られているみたいで、心が休まらない。
しかし成美は体を許してくれるので、悲しいかな別れる事は考えなかった。
・・・そんな感じで、自分以外の人と仲良くすると成美はいじけてしまう。
最初はいじけるだけだったが、だんだんとそれもエスカレートしていってしまった。
怒る。
わめく。
最後には泣き出してしまい、手がつけられない。
正直に言うと、この頃から好意は薄れていた。
成美のせいで友達関係も悪くなったし、クラスで俺に話しかけてくる奴も少なくなっていた。
俺は、もう、心底疲れ果てていた。
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