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転機は突然訪れるもので、それが俺の場合はなかなかに絶妙なタイミングだった。
「あの・・・好きです。付き合って下さいっ!」
「へ?」
初めて告白された。
相手は隣のクラスの花野さん。
少し内気だが笑顔が可愛い女の子だった。
「俺なんかでいいの?」
「はいっ・・・」
・・・丁度良かったのかもしれない。
成美との仲は悪くなる一方だし、こうして好きと言ってくれる人も現れた。
別れ時か・・・。
花野さんなら、成美みたいに束縛しないだろうし、俺もそっちの方が楽だ。
「・・・」
「う~っ・・・」
花野さんはうつむいて唸っている。
顔を真っ赤にして・・・・・・可愛いじゃないか。
「一週間だ」
「ほぇ?」
「一週間待って欲しい。そうしたらいい返事ができると思う」
ぱぁっと、みるみるうちに笑顔に変わっていく。
成美との関係を終わらせるのに、そのくらいかかるだろう。
色々ややこしい事になりそうだが仕方がない。
成美とはしっかり別れて、花野さんとリスタートしよう。
「えへ・・・えへへ・・・一週間後、楽しみにしていますね、達也さん」
すっかり夢心地の花野さん。
いや、マジで可愛いやん、どうしよ。
頭の中は新しい彼女の事で一杯だった。
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