プロローグ

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姉をちゃん付けで呼び、やたら威勢がいいのが四男。 心底驚いた顔をして失礼極まりないことを言い放ったのが次男。 おまえら少しモテるからってぇ 少し、そう少しね…… ぽんと肩に手を置かれて、手の主を見れば励ますかのような生暖かい視線をよこす三男。 ごめん、それいらないわ。 君の気遣いは有り難いが余計にむなしい。どうせ年齢=彼氏いない歴さ。 この天然君、意図せず人を傷つけるよね。自覚無しだから、たち悪い。 こいつら弁当箱の中ご飯と海苔だけにしてやろうか。まさに海苔弁。 「ほらほら、そんなことはいいから、さっさと食べて学校にいく!私も食器洗ったらすぐ出なきゃなんだから」 「あー、いいよ俺洗うし」 「あれ?ジロー兄2コマから?」 「うん」 ものすごく爽やかないい笑顔で応えられたが、これたぶん自主休講だろうな。 「ごちそーさま!啓ぇ行こう!」 「ん」 「こら陵!お弁当」 「やっべ、忘れてた。えへへ。んじゃ行ってくるね。ジローちゃん、こよりちゃん!」 「「いってらっしい」」 バタバタと足音をたてて玄関からでていったかと思えば、また何か忘れたのか今度は階段を駆け上がる音。 三男は外でまたせているらしく先に行っちゃダメだのなんだの言っているのが聞こえる。 全く嵐のように騒がしい子だ。 どうやら兄も同じことを思っているらしく、眉を下げてやれやれと肩をすくませている。 目を合わせれば思わず2人で笑ってしまった。 「……あ、トンボ」
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