22人が本棚に入れています
本棚に追加
「…き、か…き」
誰かが俺の名前を呼んでる気がする
凄く…心地の良い声
「和輝!」
「っおわ…!?」
そうかと思えば大声で名前を呼ばれ体を起こす
声がした方を見れば呆れたような顔をした武瑠がいた
「気づいたら寝てっから…」
ほら、と差し出された麦茶を受け取りとりあえず一口飲む
氷で十分冷やされた麦茶が喉を落ちていく感覚が気持ちよかった
「結局課題進まなかったな…はは、真っ白」
そう言って俺の課題を見ながら笑う武瑠は
もう茜色になった空に輝く光に照らされて、いつもよりかっこよく見えて
何故か急に恥ずかしくなった俺は視線を下にずらした
お互い無言の静寂が広がり蜩の鳴く声が耳に響いた
そんな中、先に口を開いたのは武瑠だった
最初のコメントを投稿しよう!