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「あーもう‼ちょっと室泉‼古西さん硬直したまま気絶してる‼それに私まで放置しないでよ‼つーかいい加減離せ‼キモい‼キショい‼ヘンタイ‼死ね‼後、告白を断る理由どうにかなんないの⁉なにも私を本命って嘘つく事はないでしょ⁉迷惑なんだけど‼」
私が一気に捲し立てながら問い詰めると、室泉は私を離して、さも不思議そうに見つめてきた。
「別に…本命って嘘じゃないし」
室泉は一瞬さっきのヘラヘラした表情じゃなくなっていた。とても真面目な顔で、室泉もこんな顔するんだ…。…と思いきや、すぐにいつものヘラヘラした室泉に戻った。
「あ、嘘だから‼もしかして…信用した?」
…………。ムカつく。
「は?まさか。あんたが本命を作るなんて、地球が実はもう1個あったって言われるのと同じくらい、信じらんないし」
私がそう言うと、室泉はなぜか少し残念そうな顔をした。
「…あ、そう…」
…何?今の残念そうな顔。なんか私が悪いことしたみたいじゃん。
…あ。もしかして信じて欲しかったのかな?…でも、室泉の嘘は私には通用しないって、いくらバカな室泉でも分かってると思うし。ま、いっか。
今思い返してみると、私は、ホントに室泉に対して冷たかったと思う。
「あ、ヤベェ‼おい湖波。部活行こうぜ。皆が待ってる」
色々考えていると、突然室泉に話しかけられた。一瞬何の事を言ってんのか分からなかったけど、次の瞬間私はバッと時計を見た。
時刻は午後4時10分すぎ。
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