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「…私さ、沙羅みたいな顔になりたかった。あんな、可愛いお姫様顔に生まれたかったな」
ぽつりと、思わず本音を漏らした。
「へぇ…。でも、湖波が沙羅の顔って、考えると気持ち悪いな。まず、沙羅みたいに素直になれんのかよ?」
「はあっ?」
「あまのじゃくだろ?湖波。大体、湖波の性格に、沙羅の顔は合わねえよ。そのまんまでいい」
んなっ…。ムカつくっ‼
「うるさいな‼あまのじゃくな性格で、悪うございましたね‼」
嫌味たっぷりに言うと、室泉は、ははっと笑った。
…なんか不思議。すっごくムカつく言葉を言われたのに、さっきの、沙羅への妬みと、もやもやが無くなった。
…室泉って、変なやつ。
「…それに、湖波はちゃんとお姫様顔だし」
ぼそりと、小さく呟かれた室泉の言葉は、私には、まだ届いていなかった。
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