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それは、沙羅が「あっれぇ?古西さん?陸に何の用なのぉ?」って言った直後。
なぜか私は室泉に正面から抱きしめられていた。
意味が分からなくて、頭にクエスチョンマークを百個程並べる。
「あ、の…。ちょっと室泉…?」
そんな私をよそに、室泉はこう言ったのだ。
「ごめん古西さん。告白なら受け付けらんないなぁ…。あ、デートするだけの、遊びとしての彼女だったらいいけど」
…何言ってんのコイツ。
「えっ、あの、どうしてですか?」
と、古西さんが問う。
まぁ、当然の疑問だと思う。
…その質問に、室泉は平然と答えた。
「だって、オレの本命は湖波だから」
……………。
…は?
古西さんも沙羅も硬直している。
勿論私も、室泉に抱きしめられながら硬直している…訳がない。
あり得ない。どう考えてもいつものちょっかいの延長だ。
いや、ホントに、あの時は、そう思ってた。
だから、私はうんざりとハァ…とため息を着いたのだが、沙羅と古西さんは本気だと思ってしまった感じだった。
「そ、そうなんですか…」
と、納得してしまう古西さん。いやいや納得しないでよ‼
「ひ…ひどいよぉ陸‼私、陸のこと本命なのにぃ…」
と、半泣きしながら言う沙羅。
…まさか、彼女が自分だけとか思ってたのかな?室泉に限ってあり得ない。
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