雨の唄

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――雨が降っていた。 3日降り続いた季節外れの長雨が、ようやくあがったと思った今日。 日が落ちてからまた泣き始めた空は、まだ機嫌が悪いらしい。 静かに、でも耳に残る雨音に白夜はそっと寝返りをうった。 雨は苦手だ。 いや、むしろ嫌いだといってもいい。 雨はいやでも過去を思い出させる。 ((…夜、どうして…)) ザーっという雨音に混じり、甲高い声が聞こえた気がして、白夜は跳ねるように身を起こした。 ((あなたさえ、あなたさえ消えれば……私たちは幸せになれるのよっ!!)) 「……っ」 聞こえるはずのない声を振り払うかのように頭を振る。 額に手を当てると汗が滲んでいた。 汗で張り付いたシャツのボタンを半分ほど開けると小さく溜め息をつく。 白夜は自嘲的な笑みを浮かべると、眠るのを諦めベット脇のスタンドライトをつけた。 ・
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