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何事だと目をやると、小1ぐらいの男の子がリードだけを持ち、泣きながら辺りを見渡していた。
はぁ……めんどくさいな。
小さくそう呟くと、美琴は男の子に向かって歩きだす。
このホテルにいるくらいだから、きっとこの男の子もどこかのお金持ちの子供なのだろう。
その証拠に、高そうな服装に身を包んでいる。
……この子は、両親に愛情を注いでもらえているのだろうか。
「チャッピーって何?犬?猫?鳥?」
「違うもん!チャッピーはカメレオンだもん!」
笑顔で話しかけると、男の子は少し拗ねたように返事をした。
……カメレオン!?
嘘でしょ?
何でそんなもん連れて来てるわけ?
しかもこの子持ってるのって、犬用のリードに見えるけど……。
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