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美琴はあの家に帰る事だけは嫌だったため、必死にお願いして条件付きで何とか就職を許してもらった。 その条件は3つ。 1つ目は月瀬グループの会社に就職すること。 2つ目は偽名を使う事。 月瀬という苗字は珍しく、月瀬家の令嬢だと気付かれる可能性があるからだ。 月瀬家の令嬢が働いていると、世間には知られたくないらしい。 そして3つ目は――。 「…い……鈴木先輩。」 「はいっ。」 コーヒーを届け、デスクで自分の仕事をしながら考え事をしていた美琴は、いきなり後輩に名前を呼ばれて思わず大きい声を出してしまう。 後輩は、普段は出さないような声を出した美琴に、驚いているようだった。 .
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