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問題は、“狩人”の技術が流出する惧れがある事だ。
昔ほど地球人は馬鹿ではなくなってきている。
かつてある戦士の失態により、一族秘伝の技術が地球人へ流出した事があった。
後に全てが贖われたものの、その過程において多くの同胞の命が失われた。
あの惨劇の再来だけは避けたい、というのが長老の意向であった。
この戦士は、その部族専属ではなく各部族を渡り歩いて仕事を引き受けてきた。
特にこの長老との付き合いは古く、それだけに恩義や義理もある。仕事に対する報酬も、実に魅力的だ。
そして何よりも、戦士は自身の生業を愛していた。
他にこの任務を行え得る者はおらず、長老の望みを果たす事が出来るのは自分しかいないのだ。
長老の依頼に対し、戦士は承諾した。
戦士の生業は“プレデター・ザ・クリーナー”。狩人達の掃除屋であった。
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