一章

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無理でした いや、別に仲間の輪に入れてもらえなかったとかじゃないよ? ただ佐倉さんにパシられただけ 「あ…昼飯忘れたっぽい」 佐倉さんは一時間目に学校に来るなりそう呟いた 来るときにわかるでしょ? 佐倉さん自分手ぶらで学校に来てるじゃん 「なーなー。ちょと買ってきてよ」 「…………私?」 「他に誰がいんの?」 「買ってきてって言われても……」 「ちょちょっと学校抜けてパパってそこのコンビニで買ってきてよ」 「抜けて!?」 回りは誰も喋っていないから 多分先生に話が筒抜けだ だけど先生は何も言わず授業を進める 「流石に抜けるのは…」 「大丈夫だってば…。…わかった、金渡すから」 「私に奢らせるつもりだったの?」 自分で買いに行けば良いのに て言うかこの静かな教室を抜けだす事が出来るのはここに居るなかでも佐倉さんだけのような気が… 「あ゙ーもう!!!さっさと行ってこいよ!!!!」 「無理無理無理!!!!!」 「………おい、ふざけんなよ……?」 そんな人を殴るような目で見ないで!!! 何で私が怒られなきゃいけないんだ!!! 理不尽だ!!! ヤバい、これ殴られそう…… 「……休み時間なら…頑張って抜け出してみる…」 「ありがと、……えと………誰?」 「花南まりあ」 「ん。ありがと、まりあ」 いきなり下で呼ぶのか…
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