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眠たげな裏側の事情ですが
揺さぶって許しはしません
パンの欠片ほどに餓えが蝕んだ
幼いながらに無知で苦しんだ
通りすがってく幸せそうな顔を
手に残るナイフで切り刻んでやりました
壊れた関係になっちゃえばいい
僕と比べたらかすり傷でもないよ
与えられた暴力の数だけ
不幸にならまいと必死に耐え忍んだ
殺されてしまうくらいなら
自ら死を選ぶ苦労も惜しみませんので
どうせ独りきりならば
誰もいない世界を与えて下さい
生きてゆくことが心残りです
死んでしまえば全て終わるのでしょう
いつかの未来に思いを馳せて
奴らを恨めば楽になるのでしょうか
気味悪がらないで答えて下さい
奴らと同じだったわけですね
無償の母も一緒に過ごしたことがあり
緩んだ気持ちに心配しつつ
噛み締めるだけでは足りないくらいで
少し恐い気もしていました
それを踏みにじり
僕の腕を足をつかむのは やはり奴らでした
このままじゃ無駄な死を重ねるだけならば
無様な殺し屋になりましょう
震える手で銃を手にして
死を奴らに向けてみれば
手をかえして 許しを請うて
僕よりも無様なことに気づいたのさ
止まらない願望を止める理由など
もう何も持ちはしません
虚無感は恐怖へ快楽へなり果て
赤く愛しく輝きを増しました
存在理由は人の存在理由を奪って
手に入れることだったのです
歪んだ世の中で真っ直ぐでいては愚かだ
気づかせてくれました
勝利をつかまえた
誰にも僕を否定などできません
最初から絶望の中でしか存在できなくて
希望は在りなどしなかった
目を染める青と赤
どちらが涙なのかもう分からないよ
1人の孤児は1人の父を殺して
1人の世界を造り上げてしまいました
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