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その夜、近藤に言われ部屋を用意してもらいゆっくり一人で考えた。この時代に飛ばされ帰り方がわからない以上ここで生きて行かなくてはならない。しかし、元の世界に戻っても変わりはしない。だったらここで一からやり直すのもいいのではないかと少しばかり考えてしまっていた。
「おはようございます」
そう言って挨拶をするとすでに稽古していた彼らはにっこり笑った。近藤はそばまで来て
「眠れたかい?」
そう言って笑った。その笑顔は太陽みたいだと感じてしまった。
「近藤さん。さっき話してたのって彼女のことですか?」
そう言って顔を出す。女性のような顔立ちだが胴着を着ているということは彼。なのだろう。髪は長く高い位置で結っている。にっこり笑うと握手を求めてくる彼にそっと手を出した。
「はじめまして。沖田総司です」
「あ、よろしく…お願いします。春花です」
「春花さん。可愛らしくてぴったりなお名前ですね」
そういうとまた稽古に戻ってしまった。
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