第二章

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「そうだな…。」 切なそうに言う土方を思わず見上げた。 「歳…?」 「やめてやるよ。んで、俺がずっとそばにいてやる。」 そう言ってまた抱きしめた。 さっきまで勝ちゃんのことしか考えられなかった。でも。それでも歳が想ってくれるなら。一人じゃないよね…。 「春花…」 「ん?…んっ!」 名を呼ばれ顔を上げると温かい感触が唇に降り注ぐ。 優しく重ねるだけの口づけ。 そっと離れるとまた妖艶に笑う。 「やめる餞別にもらっとく」 「なっ!!」 「帰るぞ」 そう言って手を繋ぐととても優しそうな笑顔で春花を見つめる。その笑顔に何も言えないまま差し出された手を取った。
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