第三章

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あれから数日が経った。 あれから近藤も土方も何も言っては来なかった。近藤は戻ってきた春花を見てほっとした表情をした。その表情を見た瞬間、やはり妹としか見てもらえていないことを改めて実感してしまった。 「最近…なんでみんなよそよそしいの?」 縁側で日向ぼっこしていた春花はぽつりとつぶやく。 ここ最近、近藤を始めなぜか妙に明るく笑い何も言わずじっと見つめると困ったように逃げ出して行くことが多くなった。特に原田はわかりやすく声を掛けるものの挨拶程度ですぐどこかへ出かけて行ってしまう。 「何か…隠し事してる…。みんな揃って…。」 「ごめん下さい」 入口で女の人の声が聞こえた。特に用事もないため、入口まで見に行くとそこには小柄でおしとやかそうな女性が立って近藤の母、ふでと話をしていた。
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