第三章

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「あら。春花。そんなところに立っていないでご挨拶なさい」 「あ…すみません。春花です。」 そう言うとお辞儀をする。すると彼女も頭を下げながらにっこり笑った。 「はじめまして。つねです。」 「つね…さん」 「勇さんの妻になる方です。今日は荷物を届けに来て下さったんですよ」 ドクンッ つ…ま…? 愕然としていた春花の後ろからあわただしい足音と声が聞こえた。 「つねさん。いらっしゃるならお声かけてくださればよかったのに」 その声の主は近藤だった。少し照れたような顔をしながら耳の後ろをかく。
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