第三章

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それから程なくして近藤の祝言が執り行われていた。 春花は逃げるように朝早くに家を飛び出していた。今日一日帰るつもりなどなかった。 「何しとるんじゃ?」 町から外れた川のほとりで座り込んで足元に落ちている石を川に向かって投げていた。そんなときふと後ろから声が聞こえ振り返るとそこには黒の着物に茶色い袴。髪はところどころ跳ねてる男の人が立っていた。目が合うと彼はのんびり隣に座り込む。 「あの…」 「悩み事ってとこかい?」 そう言いながら同じく石を手に取る。
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