第三章

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「嫁にでもいけ。」 空に視線を向けながら言う土方。遠回しなさよならの言葉。 「…し…い…に…」 俯いてつぶやく春花の声は堪えるような声で聞き取りにくい。 「なによそれ!一人にしないっていったのに!」 あまりに興奮して立ち上がると土方に怒鳴りつけた。 「春花…。」 「そうやって歳も…勝ちゃんみたいに遠ざけるんだ…」 俯いて呟いた。 「どこへでも行っちゃえ!バカ!歳なんて大嫌っい!」 怒鳴りつけると寂しさと悔しさで何もできない自分が歯がゆい。涙さえ堪えることが出来ずその場に座り込んだ。
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