第三章

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近藤とはあれから二人きりで話をすることはほとんどなくなっていた。妹としてしか接しない近藤。あの告白が恥ずかしいのと未だ燻る胸の痛みに近藤と接することは少なくなっていった。そしてそれにこたえるように近藤からの接触も少なくなっていった。 「春花。そうじゃない」 「違わないよ…。そうやって…厄介払いするんでしょ。同じじゃん。」 立ち上がったまま俯いて、つらさを堪えるようにぎゅっと握った拳が震える。 「嘘つき…」 そう言うと部屋へ走っていった。残された土方は大きなため息をつくと夜空を見上げて呟いた。 「どうしろってんだよ。連れていけるわけねぇだろーが」
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