第一章

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一軒の家へ連れて行かれると玄関ではなく庭先から回って室内へ入る。勝手口のようだ。 「近藤さんいます?」 そう声を掛ければ奥から背の高い男が出てきた。 ぼさぼさ頭に着物を着崩している彼は眠たそうな顔をしながら出てきた。 「お前、どこ行ってたんだよ。さっき近藤さん探してたぜ?」 「原田さん、今日出かけるって言ってたじゃないですか。それより近藤さんは?」 そう話しているとさらに奥から人が出てきた。 「平助!どこ行ってたんだ?」 最初に出てきた原田と呼ばれた彼より少し背の低い彼。心配そうな顔で出てきた。紺色の着物を着ながら速足で。
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