第一章

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「ん?そちらは?」 「途中で座り込んでて…。こんな雨の日に座り込んでるなんてちょっとかわいそうで。」 「そうか。とにかく何か拭くものをもってこよう」 「それなら俺が取ってきてやる」 そう言って原田が奥へ歩いて行った。その間、近藤にじっと見つめられていた。 「ほいよ」 そう言って渡された手ぬぐいで頭を拭くとふと大きな温かい手が頭に乗る。 「ちゃんと拭かないと風邪をひく」 そう言って拭いてくれる手はとても暖かくて、春花の知らない温かさだった。
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