歪んだ想いと復讐劇

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遺跡の東側に周り、階段を降りる 土の洞窟のような通路を抜けて、魔法陣がある空間に出る さて、どうやって壊すか……? 剣で魔法陣の一部を削ればいいのか?粉々になるまで破壊すればいいのか? 考えていると――― 「止めるんじゃ!その魔法陣に触れるな!」 背後から村長が現れた 魔法を食らって倒したはず……悪魔を呼び出したのか? そして村長の後ろから姿を表したのは アスモデウス……… エリエルの街で対峙したときのように冷や汗が落ちる 既に実体化し、村長の後ろから姿を現す 漆黒の少し長い髪に切れ長の黒く光る瞳。角や尻尾は見えないが、ニヤリと笑う口元から牙のような歯が覗いた 「これはこれは。お嬢さん。いつぞやの屋敷でお会いしましたね。あの時はろくに挨拶もできず申し訳ありませんでした」 優雅に黒いマントを翻し、一歩あたしに近づく 「わたくし、地獄の公爵アスモデウスと申します。破壊と復讐の悪魔とも呼ばれていますがね」 アスモデウスは嫌みったらしく髪をかきあげた 尖った耳が見える 「そう………あたしはユーリ=ラングレーよ。よろしく………って言いたい所だけど、残念ながら悪魔とお友達になれる程あたしは歪んでないのよ」 あたしも負けじと髪をかきあげて変な対抗をする 微かに手が震える 怯えを悟らせたくない 「そこの村長に呼び出されたみたいだけど、迷惑だから地獄に帰ってもらいたいの」 長剣を引き抜き、地面の魔法陣に当てる 「止めるんじゃ!やっと、やっと力を手に入れたのに!邪魔をするなああぁぁ!!」 村長があたしに飛びかかってくる!
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