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「あまりの出来事にショックで何も考えられませんでした……村人はみんな村長に賛同してしまって……わたしもグランドールの事をよく思ってはいませんが……何の関係もないセントリオルまで巻き込むのは間違っています!!だからどうにかしようと……機会を窺っていた時にユーリさんたちに会ったのです」
「カイルは一昨日から姿を消したらしいけど…近くの街へザッカス村についての事を告げに行ったの?」
「……………それが…分からないんです……朝気がついたらカイルの姿がなかったんです。なんの書き置きもなく……」
カイルが街へ行ったのならリムルに黙って行ったりしないと思うが……村長もカイルの行方は解らないみたいだし…
「ユーリさん!村人を止めてください!父を殺してください!こんな村…………………もう………」
「悪魔の力を持ったとなると……難しいかもしれないけど、あたしに出来る事はするわ!」
「ユーリさん…ありがとう」
扉からすすり泣くような声が聞こえる
「リムル!なんとかして鍵を探してくる。待ってて!」
「うっ…うっ…ふ…お願いします……」
あたしは廊下を走り来た道を戻る
さっき村長は村へ戻ったならしばらくは遺跡には来ないだろうが、リムルを助けるにせよ、村長がセントリオルに攻め込むのがいつだか解らない以上急いだ方がいい
カイルの行方は気になるが……
階段を駆け上り地上へでる
するとあたしを呼ぶ声が聞こえてきた
「ユーリ!どこだ!」
雷だ
「こっちよ!遺跡の東側!この階段の奥にリムルがいたわ!」
「ユーリ!いきなり消えたから心配したぞ!リムルはどうした?」
雷が駆け寄ってくる。そばにマティルダの姿もある
「事情は村へ向かいながら説明するわ!マティルダも!急いで村へ戻るわよ」
あたしは雷の手をとり飛行術を発動させる
マティルダも呪文を唱える
三人は遺跡を飛び立ちザッカス村へ向かう
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