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「―――アストラル!」
あたしはなんとなく空に向かって呼びかける
「はいはい。そんな大声ださなくても聞こえますから」
後ろから声がした
「アストラル?急に出てきてビックリするだろ!おまえやっぱり幽霊だろ!?」
雷にアストラルについてちゃんと説明してなかった
ええい!時間がないのに
「雷!後で説明するからしばらく黙ってて!アストラル!聞きたいことがあるんだけど………」
あたしはアストラルに向き直り、ガシッと肩を掴む
「大胆ですねユーリさん。雷さんの見ている前で…………ユーリさんのことは割と好きですよ。……………ほっぺならいいですよ♥」
開いているか分からないような目を閉じるアストラル
「色ボケ端末!違うわ!悪魔はどうやったら地獄に帰るの?」
あたしはアストラルの肩をガックンガックン揺さぶり質問する
「ゆゆ揺らさないでください。悪魔ですかあ?用事が済めば帰ると思いますよ」
「なによその答えは?じゃなくて、人間が召喚した悪魔はどうやったら消える?」
「うーん…そうですね…召喚した人間が死んだら、ですかね」
「村長が死んだら…」
あたしはアストラルから手を離す
「悪魔は人間に誘惑の言葉を吐きます。悩んでいたり、望みがある人間の頭に語りかける。それに人間が反応し、人間から悪魔に契約を持ちかける。××を捧げるから××してくれってね……このケースは、悪魔と人間の結びつきが強いので契約者を殺せば悪魔は消えます。もしくは悪魔をこてんぱんに攻撃するか…これが一つのパターン」
悪魔をこてんぱんにするなんて簡単にできるか!
「パターン?」
「他のパターンは悪魔の囁きがないのに、無理やり魔法陣で悪魔を召喚するパターン。これは悪魔の意志は関係ないので、魔法陣を壊すか、悪魔を怒らせれば帰ると思います」
「怒らせればって………」
「人間にわざわざ呼ばれたのに、喧嘩売られたら拗ねて帰る………みたいな?普通召喚された悪魔は、呼び出した人間の望みを叶えて消えます。呼び出すのはタダですが望みを叶えるには代償必要です。望みを叶える前になんかの問題とか………交渉決裂とか代償を払わないとかになったら消えると思います」
大丈夫かこいつ…
適当言ってるんじゃないだろうな
悪魔怒らせて帰ってくれなかったら、シャレにならない
魔法陣を壊す方向でいこう
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