歪んだ想いと復讐劇

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すこし日も傾き、空が茜色に覆われつつあった 雲が厚くかかり、雨が振り出しそうな天気だ 村長の家は恐らく村で一番大きな建物 村長の家につくまで、人に見つからないため魔法を唱える 「―――不可視領域発動!」 四人がぼやけた空間で覆われる 「すごーい!ユーリ!こんな魔法使えるなんて。随分反則技っぽいけど」 マティルダが誉めてるんだか貶してるんだか分からないことを言う 「この魔法、低級魔物からなら見つからないんだけど、魔力に敏感な強い魔法使いや上級魔物だと感知されちゃうのよね。それに普通に魔法攻撃されちゃったら魔法とけるし。周りは薄い風の結界を張っただけだから」 「そうなんだ。でもこういう状況ならピッタリじゃない!あっ………泥棒にも入れるじゃない」 マティルダが黒く笑う 「物を取るには魔法をとかないとダメなのよ、残念ながら。大きな風船の中みたいなもんだから。あと、話し声も少しばかり漏れるから静かにね」 四人は一塊になり、村長の家を目指す 扉を開けるには魔法をとかないと……… あたりに目を光らせ、村人がこちらを見ていない瞬間を狙い、魔法を解除。急いで家に入る バタンと扉を閉めて四人が狭い玄関にまとまる 振り向くと村長がいた 「なっ!?お前らは………」 村長が声を上げる 「雷!」 雷は返事もせず、あたしの意図を理解したように村長へ一気に飛びかかる そして雷の短剣は村長の首に当てられていた 「―――声を上げれば切るぞ」 雷は低い声を出し村長を脅す 「うっ………」 村長は悔しそうに顔を歪めた
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