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「村長さん、リムルを閉じ込めた扉の鍵だしてちょうだい」
あたしは雷に羽交い締めにされたままの村長に言い寄る
「そこの戸棚のところにある」
「随分沢山の鍵束ね………まあいいわ。一回聞いてみるけど、悪魔の力でセントリオルに攻め込むの止めてくれたりしない?」
村長は顔色を変える
「やはり、悪魔のことまで知られていたか………お前らを追わせた村人は倒されたんじゃな………?」
「そうよ。西の森の中で凍らせてあるわ。あなた………孫を代償に悪魔に身体を治してもらって、そのあと悪魔に何を捧げて力を借りようとしたの?」
あたしはそれはカイルなのではないかと考えていたのだ
あたしは膝を折らせ、跪いた村長を上から見下ろす
「………リムルの娘には悪いことをしたと思うてる。しかし、復讐を果たすには動ける身体が必要だったのだ………悪魔の本がなかったら、その野望も夢と消えていたはずだ……だが!カイルが遺跡から見つけてきた本のお陰で、我々は力を得たのだ!!
悪魔の力を借りるのにはなんの代償も払っていないわ!アスモデウス様は無償で我々の意志に賛同してくださったのだ!」
説得するのはやっぱ無理か………無償で悪魔が動くなんてことあるのだろうか?
「………雷、やっちゃって」
雷は短剣を首に押し当てて魔法石の力を解放する
ビリビリビリビリ!
村長は感電し、倒れる
「この家を出たらすぐに飛行術で遺跡に向かうわよ!」
あたしは鍵束を掴み取り、みんなに声をかける
扉に開けて、出ようとした瞬間
「皆のもの!曲者だ!村から出すな!殺せ!」
村長が顔だけ上げて大声を張り上げる
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