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あー、と勇也はがしがしと頭を掻いた
「史織、ごめんっ!!」
「…え?」
机から降りて、勇也が両手を合わせて私に頭を下げる
私が戸惑っていると、そのままの状態で目線だけを私に向けた
「今の告白、バツゲームだったんだよね」
「……は?」
「俺、この間麻雀負けてさ。
金賭けてたんだけど、俺金無いって言ったら一番仲良い女子に告白して来いって…
俺、お前の気持ちとか知らなかったからさ
本当ゴメンな!!」
申し訳なさそうにまた頭を下げる勇也に、私は罵倒よりも先に涙が零れ落ちた
…こんな奴の前で泣きたくない
乱暴にその涙を拭って、私は勇也の頬を思い切りぶった
「っ、最低」
私は、鞄を肩にかけて教室から出た
そしてただひたすら階段を駆け上った
勇也の目の前で泣くなんて事したくなかったから
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