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部活改革………
俺が部長で、この弱小部を変える?
技術うんぬんの前に、練習さえまともに出席しない部員たちの心を?
そんなこと本当に出来るのか?
立ちすくんだ横で、尚も低レベルな言い争いを続ける二人。
怪訝な顔でこちらを見ながら、三人を追い越していく人の波。
営業時間が過ぎてシャッターが下ろされた、駅前の商店街の静けさ。
星一つ見えない、どんよりと暗い夏の夜空。
いや。
どう考えても無理だろ。
フリーズしていた頭を再び正常作動させた拓人は、自分たちが駅前の人々の冷ややかな目線を集めていることに気付く。
横で飛び交う、聞いているこっちが恥ずかしくなるくらい頭の悪い発言のオンパレード。
ため息をついてから、一喝。
「お前ら、うるせえ!
このゴリラコンビ!!」
一直線女の突拍子もない思いつきの一言が、これから続く自分たちの戦いの始まりの合図になるとは、この時の拓人には想像もつかなかった。
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