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今日も昨日や一昨日、もしかしたら明日も変わらないであろう平凡な一日を迎えた。
いつも他愛のない話をする友達が今日は妙に真剣な面持ちで俺にどこからその話題が出てきたかわからない話を唐突に言ってきた。
「お前って欲がないよな」
欲がない。
そういえばあまりないかもしれない。
物欲、食欲、性欲…
数え切れないほどある欲の中、あまり当てはまるものがない。
確かに欲しいと思うものはあるのだが、買うことに執着がないため放っておいてしまうし、
食べ物なんて食べなくてもいいとすら思うし、
性に関しては興味すら湧いて来ない。
だから彼女はいなかったりする。
まあ告白されたらやんわり断る感じかな。
そして友は俺の考えなど知るよしもなく眉間のシワが増えてく俺を首を傾げてみている。
どこかで女子が可愛いと言ったのが聞こえた。
<また貴方は>
脳裏に浮かぶ声
<人間らしく生きてくれないのね>
女の子だ
<貴方は連れていかれる>
どこに?
<貴方には、酷過ぎる>
君は、誰?
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