始まってない

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夢の中の彼女に会ってみたかった。 名前も、年齢も、なにもかも知らない君に。 何かわからないが、彼女の夢を見てから小石のような蟠りが心の中に残っている。 あの時に、声をかけていれば。 彼女は泣き止んだのかもしれない。 可愛いから、とかそんな理由じゃなくて… 彼女の声が懐かしくて、何故懐かしいのか知りたかったから。 心に靄がかかっている。 あれから夢は見ない。 ねぇ、出てきてよ。 君のことが気になるんだ。 <わた――の―は―> 君なの? 声にノイズがかかってて、よくわからない。 <私――の―は――ア――――> もう少しなんだ… <私の――なは――ユ――ア―――> ゆ…あ……? <――私の名は――ユリア――――>
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