2人が本棚に入れています
本棚に追加
夢の中の彼女に会ってみたかった。
名前も、年齢も、なにもかも知らない君に。
何かわからないが、彼女の夢を見てから小石のような蟠りが心の中に残っている。
あの時に、声をかけていれば。
彼女は泣き止んだのかもしれない。
可愛いから、とかそんな理由じゃなくて…
彼女の声が懐かしくて、何故懐かしいのか知りたかったから。
心に靄がかかっている。
あれから夢は見ない。
ねぇ、出てきてよ。
君のことが気になるんだ。
<わた――の―は―>
君なの?
声にノイズがかかってて、よくわからない。
<私――の―は――ア――――>
もう少しなんだ…
<私の――なは――ユ――ア―――>
ゆ…あ……?
<――私の名は――ユリア――――>
最初のコメントを投稿しよう!