仕事3 タンスにアイテム

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 ふらふらとした足取りで、他の家を回る。  嫌がらせを受けたのは、最初の家だけだけれど……誰も彼もが、プライバシーを侵害する不届き者に対して、冷たい目を向けた。  私はその中で、思いがけず、望んでいた名前を貰う事が出来た。  ――疫病神、と 「……どうして、かな?」  やくびょうがみ、やくびょうがみって。  名づけてくれた。そして、何度も私の名前を呼んでくれた。  それなのに―― 「……わがままだな、私。……全然、嬉しくないの……」  あと、準備するべき家は一軒だけ。  再び陽が上るまで、まだ時間がある。  だから……少し人家から離れて、木の影に入ると。 「……しくしく……」  眠っている人たちを起こさぬよう、声を殺して泣いた。
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