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「さて…腹も満たされた所でだ
マスター、いくつか聞きたいことがあるんだが」
「…俺に答えられる事ならいくらでも」
さすがマスター
店の食料食い尽くした相手にもちゃんとした対応だ
…まぁ金は払ったしな
「見せ物小屋いきたいんだがチケットみたいなのは必要かな」
「…あぁ、大人気だし割高だからまず上流貴族しか手に入れられないがな
…まぁあんたならなんとかなるだろ」
そうか…高いのか
「そのチケットはどこで買えるの?」
「…直接見せ物小屋に行きな」
なるほど映画館形式か
わかりやすくて助かるぜ
「ついでだ、マスターその見せ物小屋はどんな物を見せてくれるんだ」
「…主に魔族支配だよ
妖精のダンスみたいな可愛らしい物から始まりやらドラゴンの討伐
果ては牝の魔道師と触手の絡みとか悪趣味なもんだよ」
…悪趣味すぎるだろ
さすがに黙ってられないな…
「それを…黙認しているのか」
「…俺達に被害はない
どうせやられてるのは魔族だ」
そうかい…
もう芯からそういう考えかよ…
「わかった…じゃあな
行くぞルカ」
「……はい」
さすがにルカも暗い顔して「デザート食べたかった」さすが脳天気
「ちょっと待ちなお兄さん」
なんだよガチムチ帰れ
「あんたずいぶん懐暖かいらしいな
その女と一緒に有り金すべて置いて行きな」
「死ね」
迷わず近くにあったテーブルで男を殴り飛ばす
そのテーブルには男がぶつかった跡が残り
男は壁まで…いや、壁の先まで吹き飛ぶ
男は目算で190越えのようだがその男の型をとれるこのテーブルはなかなかの大きさだ
それを片手で降って男をぶっ飛ばした俺に対して酒場の人間は恐れを覚えたようで誰も指一つ動かさない
「マスター」
「…なんだ」
マスターの声も軽く震えている
「釣りはいらねえ」
そういってさらに5つ金を渡し
店を出た
「ルカ…」
「なに?」
「俺は人間を殺せないと思っていた」
元人間として
日本人として
一般人として
「だが違うな
今なら迷わずこの街を滅ぼせる」
「…滅ぼすのは魔族を助けてからだよ」
「わかっている」
わかっているが…怒りが収まらない
早く…暴れたい
そう思ってしまう
「とりあえずチケット買いに行こ」
「ああ…」
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