月の満ちるまでには‥

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土埃舞う視界の中、破壊され尽くした木の葉の里で己の命運もまた尽きる瞬間‥ 見上げた鈍色の空、黒いマントに身を包んだ異形の破壊者を視界から遮った影は‥         熱風を受けて煌めく銀色だったーーー 自分を庇うように目の前に立ちはだかったかの人は、里の非常時においても何ら激憤するでもなく、いつもより静かにさえ見える眼差しで敵を見据えていた。 ただ一つ‥日頃は閉じられたままの隻眼が開かれ、ちらりと見えた紅に燃える紋様は殺伐とした戦場で一際美しく感じられたーーー     Pipipipipi… 鳴り響く目覚ましの音が一瞬にして全ての映像を遮断した。そうして深い眠りの淵から意識が浮上する。 「また…あの時の夢か‥」 誰に聞かせるでもない独り言を口にしてイルカは起き上がると、軽く頭を振った。 ペインの木の葉襲撃から既にひと月以上が経過していた。 ナルトのおかげで多くの失われたはずの命が蘇生れ、里も力強く復興へと向かいつつある。 「カカシさん、、、 助けて貰ったのに…あれきりお礼も云えてないんだよな…」 最近になってイルカはよくあの日の夢を見るようになっていた。
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